池田 礼子さん

東京都から移住

自分で選んだ、自分らしくいられる場所

愛知県出身で、10代の頃はモデルとしても活躍していた池田礼子さん。
東京での暮らしを経て酒田へ移住した池田さんのインタビューには、「楽しむこと」「自分らしさを大切にすること」のヒントが詰まっています。

愛知県から東京へ

愛知県名古屋市の大きな団地で育ち、友達と公園で遊んだり秘密基地を作ったり、兄たちと一緒に野球をしたりと活発なタイプでした。走ることは好きでしたし、団地の14階に住んでいたので階段の上り下りで足腰が鍛えられていこともあって、中学校で始めた陸上では成績も良く、部活漬けの日々を送っていました。高校では部活一色だった中学時代とは正反対に、友達とカラオケに行ったり買い物へ出掛けたりと、自由な時間を楽しみ、夜まで遊んで親に心配かけた時期でもありましたね。名古屋市は東京をコンパクトにしたような街で、デパートもいくつもあるし流行りのお店も大抵は出店しているので、今思えば足りないものなんてほとんどないんですけど、高校時代の私は東京への憧れが強く、絶対に東京で暮らしたい! と思っていました。実は中学生の頃からモデルのお仕事をさせてもらっていて事務所に所属していたので、高校卒業後はモデル業をもっと追及したいという思いもあり、東京の短大に進学しました。

どこに住んでいても地域の行事には積極的に参加☆

東京での子育て

結婚を機に移り住んだ都内の地域が子育て世帯の多い場所だったので、ママ友の輪もすごい勢いで広がりました。それまで周囲からの情報はほぼゼロで、自分が欲しい情報だけを選び取っていましたが、ママ友の輪の中では、ありとあらゆる情報がどんどん流れ込んでくる状況で正直とても驚きました。まだ生後間もないうちから幼稚園の評判などの情報交換が交わされ、どのベビースイミングや知育教室に通わせるかの話題で持ち切りでしたね。私も夫ものびのび自由に育てたいという気持ちでいたので、特にトラブルなどあったわけではないですが、なんとなくそんな空気になじめない部分もありました。長女が小学校に通うようになると、周囲からのたくさんの情報と目に見えない「型」に子どもをはめているような感覚がますます膨らんできて、下の子が就学を迎える前に移住したいなという気持ちが生まれました。
なんとなく息苦しさを感じる日々ではありましたが、結婚してからは休日のアウトドアが楽しみで、郊外のキャンプ場や海など積極的に出掛けていました。私も夫もそれぞれ昔からアウトドア派だったものの、上京してからは全然できていなかったので、再開したら「やっぱり楽しい!」ってどんどんハマっていきました。子どもに様々な経験をさせたいという思いよりも、自分たち大人が楽しみたくて、子どもたちに付き合ってもらってるって感じでしたね。今でも、私たち親の楽しみに子どもを巻き込んでいくスタイルは変わっていません!

移住のきっかけ

酒田へ移住しようと言い出したのは私からでした。マンモス校に通う長女の様子も心配でしたし、次女の就学も迫っていたタイミングで、さらにほぼ毎週末には遠出して自然に触れるアクティビティを楽しんでいる状況だったので、べつに東京にいる必要はないのではないかと思ったんです。酒田にはそれまで何度か遊びに来ていて、海も山もある環境は素晴らしいと感じていたし、夫の両親の家にとりあえずすぐに入居できる状態だったので、移住しないなんてもったいないって思いました。移住の提案をした際、夫はびっくりしていましたが嬉しそうでしたよ。「ホントに良いの?」って言いながらも、表情が明るくなっているのを私は見逃しませんでした(笑)。住まいに関しては移住6か月後にちょうど良い空き家に出会い、セルフリノベーションして庭でバーベキューなど楽しんでいます!酒田で最初にびっくりしたのは冬の雷です。酒田では珍しくないからか誰も事前に教えてくれなかったんですが、本格的に移住する直前の2月に滞在していた際、夜中に大きな雷が鳴ったんです。音は大きいしものすごい光ってるし家は揺れるし・・・「真冬に雷が鳴るなんて聞いたことない! この世の終わりだ!!」って思って布団の中でぶるぶる震えていました。翌日夫から、冬に雷は普通でしょって聞かされた時にはあり得ないって思いましたね。でも、雷の翌日はパウダースノーになりスノーボード日和になることが多い気がするので、移住して7年経つ今では、雷の音を聞くとワクワクしながらボードにワックスを塗り始めるほど慣れました!


日本海に沈む夕陽はとてもきれいです
こんなに楽しいイベントがある酒田って素晴らしいと思います!

肋骨が折れても勝ちたい「地区運動会」

酒田には季節ごと様々な行事がありますが、移住者として驚きつつも素晴らしいと思ったイベントは小学校区ごとに行われる「地区運動会」です。これは、自治会ごとチームになって他の自治会と競うローカル運動会で、大人たちが勝利に向けて本気で取り組むイベントなんです。地方ではよくある行事なのかもしれませんが、私は名古屋でも東京でも経験したことがなかったので、すごく新鮮でしたし知り合いを作るきっかけにもなりました。自治会によっては、「怪我なく・楽しく」をモットーにしているところもあるみたいですが、私が所属している自治会は市内でも屈指の強豪チームで、事前練習も熱心に行う地域だったんです。私も小さい頃からスポーツに馴染んでいて「出るからには絶対勝ちたい!」というタイプなので、熱血チームの一員として違和感なく溶け込めたかなって思います。ある年にはムカデ競争で転び肋骨が折れたこともありましたが、その時はアドレナリンが全開なので痛みはほとんど感じず、その後の打ち上げでアルコールを飲んだら一気に痛みが襲ってきて大変でした(笑)。本気で走って本気で笑って・・・、まさに大人の青春ですね。コロナの影響で開催が難しい昨今ですが、また機会があれば出場したいと思います。

海沿いを走ると最高に気持ちが良いです

移住後に開けた新たな世界

もともと夫はツーリングが趣味で、私にもバイクの免許を取るよう勧めてくれていたのですが、東京みたいに車も人も多い道では怖くて乗れないと思い、なかなか行動に移せずにいたんです。でもコロナ禍で時間が空いた昨年の夏、ついに免許を取得しました。バイクって、乗ってみるとすごく楽しいんですね! 酒田は道も広くて運転しやすいのですぐに夢中になり、空き時間があると一人で出掛けるようにもなりました。ツーリングを始めて気付いたことは、山形の人はすごく優しいということです。バイクを起こせない時やトラブルで困っている時など、誰かしら必ず声を掛けて助けてくれますし、助けるだけじゃなく、そこから話が広がってコミュニケーションが生まれていくので、そういう関わりが温かいなって感じます。今年の目標は、バイクに道具一式を積んで夫とキャンプに出掛けること。春から秋まではツーリング、冬はスノーボードと、一年中楽しいことが出来るので酒田に移住して本当に良かったです!

移住を検討している方へメッセージ

酒田での暮らしは楽しいです!迷っているなら是非来てみてください!!
なんといっても食べ物が最高ですよね。以前は家族で各地へ旅行していて、東京のレストランなども訪れていましたが、娘たちは酒田の食材のほうが美味しいって言うんです。特にお米の違いには敏感で、舌が肥えているなあと関心しちゃいます。また、季節ごと旬の野菜や果物がとにかく美味しいので、季節外の野菜を食べたいとは思わなくなりました。冬にわざわざきゅうりを買わなくても瑞々しい大根がありますし、お店に並ぶ野菜で季節を感じることができますよ。酒田で暮らしていると好き嫌いも減るんじゃないかなって思います。

家庭菜園の野菜や摘みたての果物が食べられるって贅沢!


家庭菜園の野菜や摘みたての果物が食べられるって贅沢!

東京に住んでいた10年間、楽しいこともたくさんありましたが「ここが私の居場所だ」という感覚はなぜか持てませでした。でも酒田での暮らしは、自分らしく生きているという実感があり、自分の根っこがどんどん酒田の地に伸びていく感覚があるんです。人間関係も丁度良い距離感で、多すぎる情報に流されることもなく、心地いい日々を送れているからかな。海に沈む夕陽が大好きなので、ランニングがてらふらっと海まで行って、夕陽を眺めながら走る時間は最高に贅沢だなと感じます。
酒田市は、自然豊かで安全な環境なので子育て世帯にももちろんおすすめですが、子育てが一段落した後の夫婦の時間を楽しみたい方など、年齢やライフスタイルの変化に合わせて「楽しい」を見つけていける場所だと思います!

海に沈む夕陽は、何度見ても絶景です
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