今野 ひいろさん

北海道からUターン

大好きなおばあちゃんに安心して飲んでもらいたい

酒田市に移住し、牧場の搾乳部門で働く今野さん。

「愛情をたっぷり注いでお世話する、本当に尊い仕事です」と語る彼女のお仕事や酒田暮らしについて伺いました。

酪農のお仕事に就いた経緯は?

酒田市の隣町、遊佐町で生まれ育ちました。

豊かな自然に囲まれ、小学校の頃は週に1~2回ほどある総合という授業で山や川へ行く時間が大好きでしたね。

高校の頃から生物・植物などの科目に興味を持ち、大学は農学部がある新潟の大学に進学しました。専攻は酪農ではなかったのですが、専攻外の学生も参加できる牧場体験のカリキュラムがあり、それが酪農の世界との最初の出会いでした。「この業界で働きたい!」という強い印象よりは、牛がいてお乳を搾って、いろいろなお世話をする環境が「ああ、良い感じだな」というふんわりとした印象だったように思います。

その後、気持ちの変化などもあり大学を中退し酒田市の一般企業に就職したのですが、なんとなくモヤモヤとした日々を過ごしていました。何かしたい。でも自分が何をしたいのかわからない。このまま地元にいて何が出来るかな・・・と。そんな時にふと、子牛がお乳を飲む力強さやお乳を搾るときの温かさなど、大学生の時の牧場体験で感じた思いが蘇ってきたんです。酪農業界で働きたいと決めてからの行動力は家族も驚くほどで、インターネットで調べた北海道興部(おこっぺ)町の牧場で求人が出ていたので、すぐに直接連絡を入れ必要最低限の荷物を持って移住しました。もちろんそれまでに興部町を訪れたことはありませんでしたが、不安はありませんでしたね。

興部町は自治体として酪農に力を入れていて、新規で酪農に従事する人向けのアパートがあったので、そこに入居しました。

酒田市へUターンしたきっかけは?

「ちょっと牛の世話をしに行ってくる」と言って家族を驚かせてから、興部町の牧場では1年ほどお世話になりました。牛がたくさんいて、道路もドーンと広くて、そしてものすごく寒くて!!この1年間は全てが新鮮でしたね。アパートには歳の近い人が多くいたので「酪農あるある」の話などすることができた環境も良かったです。

1年を通して酪農の経験をし、尊さを実感できるこの仕事が大好きになっていたのでUターンしようかなと考え始めた際にも、酪農業界を離れるという選択肢はありませんでした。

現在の会社が酒田市で牧場を整備中だと知った時は「すごいタイミングだ」と思い、すぐに応募しました。酒田市の牧場が整うまでは系列会社の北海道・十勝の酪農牧場で働き、酒田の新しい牧場で子牛が生まれ始めたタイミングでUターンしました。

(株)鳥海高原デーリィファームはどんな会社ですか?

弊社は、私が所属している「搾乳部門」の他に「分娩部門」「診療・繁殖部門」そして「餌部門」があり、分業体制で牧場を運営しています。4つの部署がそれぞれ連携しながら、牛たちがなるべく快適に過ごせるようにしています。酪農に初めて携わるスタッフ、海外から来ているスタッフなど若手も多くいますが、この業界で長く働いているスタッフもいるので、困ったことがあれば何でも相談できる風通しの良い職場だと思います。

生き物や自然と隣り合わせの仕事である一次産業ですが、弊社は福利厚生も整っていて、有休もしっかり消化できます。

酒田市はもちろん首都圏などでも人気の「鳥海高原ヨーグルト」の原料となる生乳は100%弊社の牧場で絞ったもので、地域のヨーグルトとして愛されています。また牛たちのエサは地元の水稲農家の皆さんと連携して生産している稲WCS(*1)を使用しており、地域に根を張る会社を目指しています。

*1 稲WCS(イネホールクロップサイレージ)とは、稲の穂と茎葉を完熟前に刈り取り、乳酸発酵させて牛などの飼料とするもの

ロータリー式自動搾乳ロボットを導入することで牛たちの観察に時間を割けるようになりました

濃厚な美味しさの鳥海高原ヨーグルト

今野さんのお仕事について

私は搾乳担当として「自分のおばあちゃんに安心して飲んでもらえる牛乳を出荷したい」という想いで日々の仕事に取り組んでいます。おいしく質の良い生乳を出してもらうためには、1頭1頭の日々の健康管理は欠かせませんし、牛舎の清掃など人の手と機械を組み合わせながら、なるべく牛たちにストレスを与えないよう行っています。

牛のお世話はすごく尊い仕事で、牛たちがリラックスしている様子を見ると癒されます。一方で、私たちは絞ったミルクなどでお金をいただいていて、ペットではない産業動物として接していて・・・・。でも愛情がないということは全くないんです。そのギャップには覚悟をもって挑んでいますし、1頭として同じ牛はいないので常に尊さと向き合っているという気持ちがあり、やりがいのある仕事だと感じています。

絞ったお乳は、1頭ごとデータで管理していて、成分などを分析することで健康管理に役立てます。お乳の量が普段より少ないなど変化があれば実際にその牛の様子を見に行って、餌部門のスタッフや診療チームと相談しながらコンディションを整えます。

いち早く不調に気付け、その牛が元気に回復した姿をみるととてもやりがいを感じますね。

人の手と機械で安全に搾乳します

搾乳後の牛はリラックスモード

酒田の好きなところはどんなところ?

最近、友人から誘われてゴルフを始めました。すごく楽しいですよ!

酒田市にはゴルフ場も打ちっぱなし場も数か所あって、私は八森ゴルフ練習場によく行きます。

体を動かすとリフレッシュにもなるし、幅広い年代の方が気さくに声を掛けてくれて楽しい時間を過ごしています。

酒田は優しくて世話好きな人が多いですよね。私が住んでいる地域の人もいつも色々と助けてくれて・・・。酒田のそういうところが大好きです。

移住を検討している方へメッセージ

空気も美味しいし水もきれいだし、田舎ならではの人の近さもあるので、そういうのが好きな人はぜひ来てほしいと思います。

酪農にチャレンジしてみたいという方も大歓迎です!

牛には言葉では伝えきれないほどの魅力がありますし、牛のお世話やその後の別れに至るサイクルは、自分たち人間の暮らしにとっては欠かせないもので、慣れや飽きることのない大切な仕事だと思っています。牧場にいる間はなるべく快適に過ごして欲しい、そして別れの際には安心安全で、喜ばれる存在であって欲しいと願いながら日々牛たちのお世話に携わっています。

初心者の方でも安心して働けますし牧場見学も承っていますので、酪農に興味がある方、酒田市へ移住するにあたってやりがいのあるお仕事を探している方、ぜひ一緒に働きましょう!

■(株)鳥海高原デーリィファーム

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