石川沙有梨さん

東京都からUターン

日々の暮らしに彩りを添えるショップを目指して

東京で暮らしながら、酒田の会社に所属していました

酒田を出て東京の大学を卒業後、鉄鋼関係の商社に就職しました。5年ほど働いた頃、転職を見据えて退職したのですが、その後しばらくして同じく酒田出身の夫との間に、長女を授かったんです。転職活動はどうしようかと悩んでいたところ、両親が経営している会社がインターネット販売を始めるための人材を探していると知りました。それならば私でも協力できるのではないかという話になり、東京で暮らしながら酒田にある両親の会社に入社することにしました。

当社は食品の卸業や酒類販売を行っているのですが、私自身その分野での職務経験は全くなかったうえに、インターネット販売の知識も持っていなかったので、今振り返るとよく事業をスタートできたなあと思いますね。慣れないながらも、個人のお客様向けと業者さん向けの2種類のECサイトを立ち上げ、サイト運営や注文管理などを行っていました。

双子妊娠を機にUターンを決意

日和山公園でピクニック
日和山公園でピクニック

長女を出産後も在宅で働いていたのですが、都内は待機児童が多い状況だったこともあり保育園に預けていなかったので、日中は子どもの遊び場に出掛け、娘が寝た後などに仕事をするような生活を送っていました。大変さもありましたが、児童館に毎日のように遊びに行き、同じ月齢のお友達もできて楽しく過ごしていたので、東京での子育てが窮屈だったという思い出はないですね。ただ夫は、長女が生まれた頃から、酒田に戻るのも良いんじゃない?とずっと言っていて、確かに酒田の子育て環境に魅力を感じてはいましたが、Uターンはまだ良いかなと先延ばしにしていました。ところが、長女が1歳半を過ぎた頃、双子を授かったことが発覚して・・・。喜びと驚きの気持ちに浸っていたのもつかの間、体調が優れない日々の中、長女のお世話にも追われ、これはもう無理だなと思い酒田へのUターンを決断しました。

結果的に、夫と私それぞれの両親の近くで暮らせるようなったことで、私たちも頼れる存在が増え、子どもたちも伸び伸びと遊ぶことができ、両親も孫にいつでも会える環境になって、良いことばかりでした!!

酒田での新しいチャレンジ

酒田に戻ってしばらくした頃から、新しいことに挑戦したいな、せっかくUターンしたんだから酒田の方から喜ばれることをしたいなという想いが生まれ、会社の新規事業の責任者に挑戦してみることにしたんです。何を扱うお店にするかも決まっていない状態で、まさにゼロからのスタートとなりましたが、「食と暮らしのトータルコーディネート」をコンセプトに、美味しくておしゃれな食品とお酒、それに合う気持ちが明るくなるような食器やカトラリーをセレクトするショップ「COCOT(ココット)」をオープンさせていただくことになりました。店名の決め手は、耳馴染みが良く覚えやすい響きだと思ったからなのですが、コロンとしたフォルムでスープ系からデザートまで幅広く活用することができる器の「ココット」のように、お客様の様々な生活シーンのお役に立てるショップになれば嬉しいなあと思います。

どんなお店ですか?

酒田では手軽に購入することができなかった成城石井や久世福商店の食品、カルディで扱っている商品(カルディオリジナルは除く)なども取り揃えていますので、ぜひ楽しみながら店内を見ていただけたらと思います。実際に「この商品、買ってみたいと思っていたのよ」とお客様からお声掛けいただいたこともあり、すごく嬉しかったですね。

また、セレクトするメーカーと直接交渉することもありますが、今までのお仕事で繋がりを築いてきた業者さんから紹介していただき、新たな取引先とご縁を作ることも出来たので、たくさんの方から関わっていただいたことにすごく感謝しています。

移住を検討している方へメッセージ

私自身は、酒田に物足りなさを感じて東京へ出たわけではないですし、また、東京での生活が嫌になってUターンしたわけでもないので、酒田と東京を比べてどっちが良いとはなかなか言えないですね。どちらにもたくさんの良さがあります。

でも、酒田での暮らしは、空間的にも時間的にも余裕を持つことができるかなと思います。

東京に住んでいた頃は、ちょっとしたお出掛けも、電車の乗り継ぎを細かく調べてベビーカーが通れる動線をチェックして・・・という感じで段取りが必要でしたが、酒田では基本的には車移動なので、とりあえずどこかに出掛けようか!という軽いスタンスで出掛けても何とでもなる感じがすごく気持ちが楽ですね。

私の周りにも他県で生まれ育った移住者さんが何人もいますが、皆さん酒田を気に入ってくれていて、やっぱり酒田って良い街なんだなと思います。

そんな酒田での暮らしが、より素敵で楽しい日々になるお手伝いができるよう、私たち「COCOT」もこれから頑張っていきたいです。

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