Uターン
なんとも楽しそうに仕込み作業をする若者たち。
「同じ年」「Uターン」。そんな共通点をはるかに超えて3人を結び付けるのは、お互いへのリスペクトと感謝でした。
店主・佐藤宙(以下、宙)さん:僕は、とにかく東京に行きたかったので大学進学を機に上京しました。大学3年生の時に飲食店でアルバイトしたことがきっかけでこの世界の魅力にハマりました。
柿崎壮太(以下:壮太)さん:僕は宙と同じ高校の同級生なんです。大学を決める時期にすでに飲食業界で働きたいと考えていたので、経営や観光業などを学べる学科がある東京の大学を選びました。
長谷川貴之(以下、貴之)さん:僕は二人とは学校は違ったんですけど、高校三年生の時に通っていた自動車教習所で宙と出会いました。高校卒業後は酒田調理士専門学校に通い、その後東京の飲食店へ就職しました。和洋中、様々なお店を展開する会社だったのですが、面接の際に和食希望であることを伝えたらそれが叶って、気が付けば今日までずっと和食居酒屋の世界にいますね!
宙さん:自分は食の世界へ惹かれつつも、親の強い希望もあり大学卒業後はUターンし酒田市内の企業に新卒入社しました。学生時代とは違い人間関係の横の広がりを築くことができたので、貴重な期間でした。その会社に4年勤めた後、仙台にある飲食店に転職。そこでホールから厨房まで一から学びました。壮太とは大学時代から「いつか一緒に店をやろう」という話はしてたんですよ。なんでそういう話になったのかはちょっと忘れちゃったんですけど(笑)。やっぱりお互い地元が好きだったから「一緒やんぜ~」みたいな感覚だと思います。
壮太さん:大学卒業後は、都内の飲食業界に就職しUターン直前まで同じ会社に勤めました。ジャンル的にはバルやダイニング、カフェなどで、社員として接客からキッチンまで一通りこなしてきました。
貴之さん:自分は、就職と上京が同じタイミングだったので、最初の数年は東京を楽しむことは全くできず、日々の仕事に精一杯でした。壮太とは同じグループLINEに入っていたり、宙の友人だという認識はしていましたが会ったことはなくて、つい最近お互いが東京時代に住んでいた場所がめちゃくちゃ近かったという事実が発覚しました(笑)。
宙さん:最初に勤めた会社を辞め飲食業界に入った時から35歳までに自分の店を持ちたいというはっきりとした目標を抱いていたので、常に自分のスキルややらなければならないことを逆算して考えていました。オープンの2年前から少しずつ準備を始めて去年の3月Uターンし、34歳でここ「弥五兵エ」を開店しました。
壮太さん:大学生の頃から一緒にお店をやりたいとは話していましたが、お互い飲食業界で働き始めてからは、会う機会が減っていたんです。でもコロナ禍にオンラインで話そうってなって、色々話をしていて・・・。2年後くらいに酒田で店やろうと思ってるんだって宙が言ったので、自分は「おお、わかった~。じゃその頃をメドにUターンするわ~」ってなりました。これを話すと、大きな選択をゆるい感じでしたように思われるし実際そうなんですけど(笑)、でも不思議と迷いや不安はなかったんですよ。
貴之さん:自分は2人より数年早くUターンしました。酒田で店を持ちたくて、そのためには地元の業者さんとの関係を作る必要があったので、戻って酒田の居酒屋さんに就職しました。弥五兵エがオープンしてから数か月は普通のお客として来店していたんですが、2人が一緒に働いてくれたら助かるって言ってくれたので・・・雇ってもらっちゃいました!!(笑)
宙さん:お店の場所、名前などは自分が決めました。場所は、中町や駅前などいくつか候補を絞って探していたんですが、ここは理想に近い物件だったのでタイミングや出会いに感謝しています。
名前は、すごく悩んでギリギリまで決まらなかったんですが、僕の実家の屋号である「弥五兵エ」としました。
壮太さん:場所を見て名前を聞いた時にはすごくしっくりきて、良いじゃん!って言いました。宙って、センスが良いと思うんですよ、昔からずっと。具体的に何って聞かれると難しいんですけど、自分にはない感覚を持っているというか。
宙さん:ホント?!取材用に言ってくれてますね、これは(笑)!
壮太さん:元気がウリな店です!!
宙さん:それはそうなんだけど、まずそこ?!(笑)
貴之さん:宙のチョイスする日本酒のラインナップがすごく良いですし、料理も最高に美味しいです!自分はアルコール全然飲めないんですけど、そういう人も楽しめるお店です。
宙さん:地元の食材も利用しますし、旬で良いものは各地のものを使用しています。自分自身が行きたいと思える店かを常に考えていますね。なのでここは、敷居は高くないけど美味しいものが食べられて、1か月に1度くらい行きたいと思えるような、そんなお店を目指しています。
壮太さん:僕のイチ推しメニューは、牛モツの煮込みです!オープン当初からずっと人気のメニューで本当に美味しいんです!
宙さん:自分のおススメは刺身の盛り合わせですね。醤油や塩・ショウガなどの薬味も盛り付けて提供しますので、ぜひ色々な食べ方で楽しんで欲しいです。
あとは、弥五兵エの看板メニューである土鍋ご飯のおにぎりも美味しいですよ~。メニューについていろいろ考えていた時に、うちでゆっくりお酒を飲んでお腹いっぱい満たされて欲しいなあと思い、締めのメニューはおにぎりにしました。塩は「さかたの塩」です!
貴之さん:僕のおススメは唐揚げです!唐揚げ担当は自分なんですけど!(笑)
教科書どおりに味付けしているのですが、シンプルイズベストで美味しく仕上げているのでぜひ食べて欲しいです!
貴之さん:自分は釣りが好きなので、海や川が近くていつでも行ける環境は最高です。東京に住んでいる時も行ってはいたんですけど、やはり手軽さが違いますね!
住んでいて穏やかだな~って感じるし、平和です!
宙さん:確かに、自然が豊かってのは大きいね!!Uターンのタイミングを考える時に子育て環境も大きなポイントの1つでした。自分自身は酒田市の中でも山間部に位置する八幡地域出身なので、自然に囲まれて育ちました。子どもたちにもそういった環境で様々な体験をして欲しいと思ったので、我が子の小学校入学前にUターンしようと決めていました。今朝も実家に寄って来たのですが、八幡の地域は匂いが違うんです。リラックスしてストレス解消になります!
壮太さん:酒田を出るまで気が付かなかったんですけど、美味しいものが溢れている街だなあと思いますね。海が近いので魚はあるし、米も美味いしフルーツも獲れて、こんなに揃っている地域はあまりないと思います。冬の天気の悪さはなかなか大変ですが、それを除けば最高だと思います!
宙さん:店主としてやらせてもらっていますが、壮太がいなければオープンできていなかったと思うので、本当に感謝しています。そしてお店がオープンし、ありがたいことにお客様がたくさん来てくださって忙しくなり・・・。壮太にかかる負担がどんどん大きくなっていって、このままじゃマズいなって思っていた時に貴が入ってくれました。貴は料理人としてのキャリアが一番長いので、きっちり丁寧な仕事をしてくれて助けられています。
高校時代からの友達とこうして店をやれていること、その店に友人やお世話になった方が来てくれること、そういう出会いに自分は本当に恵まれているなあと思います。
たくさんのご縁でオープン準備から今日まで歩んできた弥五兵エへ、ぜひ一度お立ち寄りください!
酒田市の良さや暮らしについてもご紹介しますよ!!!
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